· 

間欠性跛行

 NHKの「ドクターG」という番組をご存知でしょうか。毎回、ドクターG(ジェネラルな専門医)が症例を出題し、それを研修医がカンファレンス(協議)形式に病名鑑別していく番組です。とても勉強になる番組で、私も毎回楽しみに視聴しています。
 先々週の回でしたか、バージャー病(閉塞性血栓血管炎)という病気をやっていました。この病気は、四肢(手足)の末梢動脈、とくに下肢(脚・足)に好発する血管炎で、その結果、慢性動脈閉塞症疾患となります。特徴症状として、間欠性跛行(かんけつせいはこう)という徴候があります。(間欠性跛行:歩いているうちに痛みにより歩けなくなり、少し休むと痛みは治まるが、また歩きはじめると痛みを生じる症状)
 また、バージャー病のように間欠性跛行の徴候がある病気に、(腰部)脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)があります。脊柱管狭窄症の患者さんは鍼灸師もよく診ますので、我われとしましても前者(バージャー病)との切り分け鑑別がとても重要です。番組の中でもあがっていましたが “決め手” は、足背動脈(足の甲部)の拍動確認です。拍動の診て取れない場合は血管が詰まっている(閉塞)可能性が高く、前者となりますので、速やかに病院へ行っていただきます。また、間欠性跛行時の休む姿勢もポイントです。姿勢にかかわらず少し休むと楽になるのは前者です。後者(脊柱管狭窄症)の場合は、腰部脊柱管の骨の変性が原因で神経を圧迫しているため、前屈みにしゃがんで休むと脊柱管が開きので、より楽になるという特徴があります。
 日々患者さんに教えられることばかりです。今週も最善を尽くします。滋養庵