頏顙（こうそう）

　このところ喉がいがらっぽく、鼻の粘膜も乾いて少々痛いと思っていたら、くしゃみや鼻水まで出る始末...。「ん？！」、そうです、まさかの花粉症です。元々、春先に苦しむのは恒例行事なのですが、今年はとうとう秋の行事（花粉症）にまで参加（反応）してしまったわけです。まあ、症状が軽いのが幸いなのですが、こんなときはどの経絡に鍼（はり）をすればいいのでしょうか。肺経？大腸経？胃経？　
　師匠 鈴木眞幸先生の4月の講義の復習します。「医経（黄帝内経）では、現代の花粉症のような鼻の疾患や目の痒み・流涙を伴う症候を、頏顙（こうそう）の機能変調、即ち、頏顙症候として説いている」とありました。頏顙とは、頭部（巓）の中央、鼻部にあるとのことですので、鼻腔・咽喉及び眼の奥の部分あたりを指していると考えます。症状との位置関係はズバリです。では、この部分を通る経絡は「何ぞや？」という話になります。正経十二脈では、肝経・膀胱経がこの部分を通ります。ちなみに前述した三経はここを通りません。というわけで経絡も絞れてきたので自分であれこれと治療してみたいと思います。皆様も粘膜の乾燥にはくれぐれもご注意ください。滋養庵