· 

ジョアン・ジルベルト エピソード1

この曲「コルコバード」は故A・C・ジョビンの作品で、多くのミュージシャンがカバーしているボサノバのいわばスタンダード曲です。

 

 私は、2003年の初来日時と、その翌年2004年に、いすれも東京国際フォーラムでジョアンのライブを観ることができました。

「観ることができた」と書いたのは、彼の”変わり者”としてのエピソードはファンの間では有名で、ライブの遅刻は当たり前、気に入らなければドタキャンもあると聞いていたからです。そんなわけで2003年初来日の時は少しハラハラしました...。案の定、開演時間になってもステージにはなんの動きもありません。そのまま時間だけが過ぎていきます。そして約40分くらい経ったころだったでしょうか。誰しもがこれはヤバイんじゃないかと思いはじめたその時、

スタッフの連絡よりますと、ジョアン・ジルベルトを乗せた車は只今ホテルを出発したとのことです。まもなく到着します」との場内アナウンス!会場は歓声と安堵、そして爆笑の渦です。かくしてライブは1時間以上遅れて無事(!?)にスタートし、その後は感動の連続でした。

 翌年2004年の公演は前年の経験からか、誰もが予見しているようでした。私を含め多くの人が開演時間になってもホール前のロビーに設置されたバーでお酒を飲んだりして歓談していました。すると

「ジョアン・ジルベルトは既に控え室に入っています。まもなく開演します」とのアナウンス!

今度はいい意味で期待を裏切られ、ロビーで寛いでいたファンは慌てて席へと急ぐ事態に。(笑)

 そして程なくジョアンがステージに登場し、その後3時間以上にもおよぶ感動の弾き語りに酔いしれたのは今でも忘れません。噂に違わずチャーミングなお爺さん(2004年当時73歳)。ジョアン最高!