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年初めの能鑑賞

 宝生流 能楽師、辰巳満次郎さんのご子息である、辰巳和磨さんが年頭や初会に演ぜられる儀式的で、由緒ある曲を歌舞すると聞き、日曜日に鑑賞してまいりました。
 和磨さんが千歳(せんざい)を演じる「翁(おきな)」という曲は、演者が精進潔斎して臨む、格別な舞台なんだそうです。また、流派にもよりますが若手能楽師にとって「翁」を演じるということは、修業の階段を一つ上るというような名誉あるものなんだそうです。
 ちなみに私が能を観る機会に恵まれているのは、満次郎さんの奥様と、うちの家内が同級生で、今も親交があるためです。そんなわけで和磨さんとも彼が高校生だった10年前から面識があります。
 さて、その和磨さんですが、年頭初っ端ということもあり緊張に包まれた会場の中、なんら臆することなく堂々と歌舞しました。あっぱれです。
 厳しい修業があるからこそ引き継がれる伝統芸能の世界。新年早々にいろんな意味で素晴らしいものを観ることができ最高の時間を過ごすことができました。