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「無理をしないで」の落とし穴

 「無理をしないでって、何なんですか?」。これは先日ある心身症に悩んでいる方からの質問ですが、私は返答に困ってしまいました。
 考えてみると、身心的に健常ならば何でもない気遣い言葉ですが、受け手によっては曖昧で無責任な言葉となるのかもしれません。個々で「無理」の閾値や限界が違いますし、必要性というのも違うわけです。不用意に発すると場合によっては、相手を困らせてしまうことも考えておかなくてはいけません。
 
 辞書をひくと「無理」というのは、道理の無いこと、強いて行うこと、行いにくく、するのが困難なこと、とあります。だとすると、道義的に納得できないことや、困難なことを嫌々行うといった○○な修飾語を加えて「無理をしないで」と声をかけるのがよいのかもしれません。相手の事情や状況をよく聞き、今後は「無理をしないで」プラスαを心がけたいと思います。(勉強になりました)