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湧泉穴

 今朝は足が冷えてしょうがなかった。ふと、こんな時に「湧泉(ゆうせん)のお灸はどんなものか」と頭をよぎる。

 「湧泉」は「足の少陰脈(腎経)」に属する経穴(けいけつ=ツボ)で、正経十二経脈の中では唯一、足の裏に在る経穴である。それがゆえに個人的には、少々選択しづらい経穴でもある。しかし何故か今朝は「湧泉」が頭に浮かんだのだ。

 それではと、両足の「湧泉」に5壮(5回)づつ、しっかりと灸を据えてみる。「湧泉」に気をやると、足の裏全体に熱が広がるように感じる。立ってみると、まさに泉(地下水)が湧き上がるかの如く、足裏から股関節に向けてピーンと芯が通ったような感覚もする。これは予想以上にいいではないか。すぐに実践へ用いるべしと。

 ちなみに「湧泉」は、黄帝内経の霊枢・経脈編では、「足心」と記されている。足の少陰脈(腎経)は、「足心」に始まり、足の内側を上行し、腹部から胸部(心部)の「壇中(だんちゅう)」へ行き、次の手の厥陰脈(心包経)へと繋いで終わる。「湧泉」(足心)の主治のひとつに「気付け」というのがあるが、なるほどなあと今更のように感心するのであった...(もっと勉強せねば!)

 

 間もなく平成29年が終わります。本年も本当にありがとうございました。皆様、良いお年をお迎えくださいませ。