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気が昇ると

 気候的にも、環境的(新生活など)にも、身体の「気」が変調(上昇)しやすいこの季節。精神的な疲労が重なると、目の疲れ、首肩こり、軽い頭痛といった、様々な不調を誘発します。症状のレベルが日常生活に支障がないため、ほとんどの皆さんがそのまま我慢しておられることと思います。
 東洋医学では、この様な「気」の上昇を「上実下虚」(じょうじつかきょ)と表現し、身体のバランスが崩れ始めたサインとみなします。漢字のとおり、身体の上部(特に首から上)が「実」(陽の気が上昇し熱い状態)、一方、下部(特に足)は「虚」(陰の気が下降・停滞して冷えている状態)ということになります。本来、身体の陰陽バランスがとれている状態を「頭寒足熱」(ずかんそくねつ)といいますから、その逆の状態なので体調が思わしくないのも当然です。
 もっとも簡単な養生法として、下半身(特に足首を含めた足全体)が冷えないよう対策し、冷えた感があれば十分温めることをおすすめします。特にお灸は良いです。三陰交(さんいんこう=位置はネット検索するとすぐヒットします)などの経穴(ツボ)に温かさがジーンと入る程度すえると良いと思います。簡単な養生で心身ともにリラックスしましょう。