ご存知の方も多いと思われますが、五行(ごぎょう)説をごく簡単に説明させていただきます。
事物を五つの代表的物質(木・火・土・金・水)に分類した古代中国の学説で、陰陽論と共に東洋伝承医学、殊に伝統鍼灸医学の根幹をなす哲学です。陰陽論同様、五行説も私たちが日ごろ目や耳にする意外なものに反映されています。面白いものを例にあげてみたいと思います。
まずは大相撲の土俵です。実は土俵を中央(土)として、東の柱に青の房(木)、西に白の房(金)、南に赤の房(火)、北に黒の房(水)がぶら下がっています。そして東を優位としているのも陰陽五行の哲学なのです。
また皆さんご存知の「フーテンの寅さん」という名前を漢字にしてみましょう。「瘋癲の寅」となります。瘋癲とは、「風」が「顛」(頭のてっぺん=百会穴)に昇った精神疾患(肝の気の病)を云い、干支の「寅」も含めて(木)の行で構成されています。「青春の涙」というちょっとイタイ(?)言葉の「青」も「春」も「涙」もまたすべて(木)の行で構成されています。
「土用の丑の日」の「土用」「丑(牛)」は(土)の行です。そんな中、個人的に納得いかないのが北原白秋です。苗字の「北」は(水)の行なのに、名前の「白」「秋」は(金)の行という不協和音で構成されています。北原黒冬か西原白秋でいて欲しかった(苦笑)
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