五行学説の運用につて

 ブログの更新を怠ったまま、だらだらしていると8月がそこまで来ていました。(反省)
それにしてもこのところ梅雨に逆戻りしたような天候が続いています。そんな雨雲を眺めながら、やっぱり「五行学説の限界」て多いなあと改めて思いました。

 以前にも書きましたが、五行学説とは、事物を五つの代表的物質(木・火・土・金・水)に分類した古代中国の学説で、陰陽論と共に東洋医学の根幹をなす哲学です。さらに五行学説の起源を遡ると、ベースは四方の風、つまり春・夏・秋・冬に辿り着きます。では何が「五行学説の限界」なのかと云いますと、その形成の基礎が、北半球の中国の風土に因っているため、日本の風土の特徴に合わない所も多いということが先ずあげられます。ごくごく単純な例をひとつ~五行学説の五季と五気は、木(春・風)→火(夏・暑)→土(長夏・湿)→金(秋・燥)→水(冬・寒)と移り変わっていくわけですが、注意いてほしいのは五気のうちの湿が、夏と秋の間の長夏に配当されいます。しかしどうでしょう。我われ日本人は、湿といえば梅雨ですし、配当するなら春と夏の間が妥当と考えるのではないでしょうか。このように五行学説をそっくりそのまま機械的に運用すると多少の無理が生じます。したがって運用するにあたっては、その限界を見ながら適宜、運用していくことが大切なんだと思います。今年の日本は今のところ、風→湿→暑火→湿と進行中です。くれぐれも養生してくださいませ。滋養庵