現代的な説明も

 エンドルフィンという脳内で機能する神経伝達物質があります。モルヒネ同様の作用を示し、(内在性)鎮痛系にかかわり、多幸感をもたらすと考えられている物質で、脳内麻薬と呼ばれたりしているそうです。(鍼灸学生時に教わったのにすっかり忘れとう!!)
 そんな忘れていたエンドルフィンの説明を初めに書いた訳は、鍼(はり)治療の鎮痛・癒し効果は、エンドルフィンがかかわっているのではないかという学説があるからです。メカニズムは、自律神経系の反射である「体性-内臓反射」(皮膚への刺激→脳・中枢神経系において内因性モルヒネのエンドルフィン、ダイノルフィン等を増やすこと)によって鎮痛や癒し的な効果が得られる。という事だそうですが、私としましてもとても興味深い学説です。なぜなら鍼を施すと、脈が変化しますし、足に打った鍼でお腹の圧痛が寛解したりします。これらを私たちは氣の作用だとして多くを説明しません。しかし前述した生理学的なメカニズムも併せて説明することで、鍼灸の不透明な部分を払拭できるのではないかと思うからです。今週もよろしくお願いします。滋養庵