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肝ワールド「病在肝、兪在頚項」

 もう8月なんですね。開業して3か月...あれもこれも勉強しようと思っていたのに、何もできずに時間だけが経ってしまいました。今更ながらストイックという言葉はボクの辞書には無いようです。
 さて、当ブログで再三出てくる黄帝内経(こうていだいけい)に、「病在肝、兪在頚項」(びょうざいかん、ゆざいけいこう)という一節があります。本書の哲学で肝(肝の氣)は、魂や精神を主る(つかさどる)とされています。それを基に訳しますと「ストレスなど精神疲労症状は、頚項部(くび・うなじ)に表れる。そしてこれを治療点(穴=ツボ)にしなさい」というような感じになります。

 また肝は、目や筋とも関係が深いので、目の疲れや肩こりなどの治療点も同様になります。頚項部には鍼灸の臨床上、重要なツボが多く、天容(てんよう)、天窓(てんそう)、天鼎(てんてい)、天柱(てんちゅう)など、「天」の字が付く穴が点在していることからも、その大切さがうかがえます。
 ストレスが原因で発症する、くび・肩のこり、頭痛(筋緊張性頭痛)などでつらいときに、後頭部のくびの付け根(後頭骨との境)の辺りを軽く指圧してみてください。硬く圧すとズーンと響く様な感じがあれば、そこをやさしくマッサージしてみてください。また温めることも一考です。緊張した筋肉がゆるむと、それぞれの症状が和らぎ心も落ち着きます。

 当院では上記のような症状がある場合、「病在肝、兪在頚項」に基づき、関連する経穴(ツボ)を選択して治療します。