本日はお灸について

お灸
お灸

 お灸を大きく分けると、有痕灸(ゆうこんきゅう)と無痕灸(むこんきゅう)の二種類に分けることができます。前者が一般的に「熱い」イメージのお灸です。皮膚上で艾(もぐさ)を焼き切り(完全燃焼)、やや焦げ痕(あと)を残すもので、患部や経穴(けいけつ=ツボ)にしっかり熱を入れることと、焦げ痕を残すことによる創傷(修復)免疫細胞の活発化を目的としています。

 後者の無痕灸は、焦げ痕を残さないお灸をいいます。ある程度の熱さを感じたところで消去するものや、皮膚に生姜やニンニクのスライスなどを置き、その上に艾をのせて間接的に施灸する隔物灸(かくぶつきゅう)などがあります。せんねん灸に代表される台座灸も無痕灸の一種です。有痕・無痕、いずれも症状や状態によって使い分けます。
 さて写真は日頃、私が用いるお灸です。写真左の三角錐状のものが「知熱灸(ちねつきゅう)」といって、患者さんに熱量を知らせていたき、その時点で取り除きます。写真右は「灸頭鍼(きゅうとうしん)」といって、鍼の柄(頭)に被せて皮膚へ照射するものです。特に腰部に良く使います。同様に写真上部の棒状の棒灸も、皮膚面から少し離して表層を温めます。写真中央の小さな粒状のもが「透熱灸(とうねつきゅう)」といって、私が日頃用いるお灸で唯一の有痕灸です。適宜該当の大きさにその場でひねるものですが、代表的なものが写真の大きさのものです。比較のために左にお米を置いています。お米の右が「米粒大」、その右が「半米粒大」と呼んでいます。私はこれらの他に、先日ご紹介した竹ノ輪灸も良く使っています。
 お灸の熱いイメージや焦げ痕に抵抗がある方は、鍼灸師にその旨を伝えれば対応してくれるはずです。未経験の方は是非一度お試しください。滋養庵