「切」という字

鍼灸師が行う診断法に

切診(せっしん)というのがあります。触診を意味し、脈診(みゃくしん)や腹診(ふくしん)、また取穴(しゅけつ)といって経穴(つぼ)を探る施術なども切診に分類されます。
ところで、なぜ触診、触れることに「切」という字が使われているのでしょうか。

広辞苑には、「③しきり。ひたすら。ねんごろ。」という程度で、それらしき記述はありませんでした。

しかし漢和辞典では、「③(セツナリ)・刃物をじかに当てるように、ぴったりとくっついて膚にこたえるさま」との記述があります。さらに漢字海には、「②こする。触れあう。③近づく。ぴったり密着する(せつナリ)」と、まさに触診をイメージできる記述がありました。なるほど!これなら触(診)=切(診)も分かりますし、親切、大切といった言葉も納得できます。スッキリしました。