井穴刺絡(せいけつしらく)

一昨日は専門学校(鍼灸)の同期であり、日本刺絡学会で講師を務める勝山さんに当院までご足労願い、井穴刺絡(せいけつしらく)鍼法の指導をしていただきました。
ご存じない方に刺絡(しらく)をざっくりと説明しますと、
皮膚表層のごく細い毛細血管に滞っている血をほんの少量出血させることで、血行を正常化させ、全身の免疫と治癒力を高める鍼灸特有の施術です。また井穴(せいけつ)とは、爪の際(爪甲根部)にある経穴(ツボ)のことをいい、爪の際からごく少量の滞った血を出血させるのが井穴刺絡鍼法です。
用いる鍼(はり)は、写真の三稜鍼(さんりょうしん)という専用のものです。写真では滅菌消毒のためバネ式円筒のガイド(写真下)から鍼体(写真上)を抜き出しています。鍼体の刃先をみると槍のようになっていて、いかにもこれで一刺しされたら痛そうに見えますが、実際に使用するときは、円筒ガイドからせいぜい1mm未満程度が出るように調節して使用します。したがって皮膚に一瞬刺入する深さも1mm未満ということになりますので、ほとんど痛みを感じることはありません。
さて、これからの季節、特に指先の冷え(しもやけ等)でお困りの際は是非とも井穴刺絡をお試しください。