経筋と経脈の使い分け

本日は、今更のように勉強し始めた「経筋」と、従来の「経脈」(一般的に経絡と呼ぶのはこちら)の使い分けについてまとめてみたいと思います。

 

「黄帝内経霊枢-現代語訳」を翻訳された石田秀実先生は、「十二経筋の特徴は、筋肉の間を循行し、内蔵に走入しないことである。経筋の走向はすべて四肢の末梢に始まり頭部や躯幹に終わり、そのうえ手足の三陰三陽の四組の特徴を際立てて反映している」と解説しています。注目すべきは、一般的に経絡と呼称されている経脈が臓腑に深く関わっているのに対して、経筋は基本的には関わっていないとしています。
では治療として用いる場合はどのように選択すべきなのか。
「誰でもできる経筋治療」の著者である篠原昭二先生は、経筋病と経脈・臓腑病の分類について「動作時に、つっぱる、ひきつる、痙攣する痛む等の症状があれば、それは「経筋病」である。安静時痛や夜間痛が特徴の「経脈病」や「臓腑病」と思いこみ、同じ治療をしていてはいないだろうか?「経筋病」であれば、疼痛部分と一致する経筋を特定し、その異常経筋上の末梢にあるケイ穴または兪穴を皮内鍼でわずか0.5ミリ程度刺鍼するだけで、驚くべき効果が即現れる!」と著書の導入部分で述べています。

こうして改めて用途を考えると、経筋も病症によっては効果的のようです。今後は、患者さんの病態をよく把握し、ケースによっては経筋治療も加えて行きたいと思います。