病床の知人へ

 九州の知人が、既に回復に向かっているとのことであるが肺炎を患っていたらしい。大事に至らずに一安心。ということで自宅静養での注意を案内した。

仰臥位(ぎょうがい)、いわゆる仰向けにて静養する場合は、呼吸器廃用の危険性があるため、長くそのままになっていてはいけない。長時間仰臥位のままでいると横隔膜運動が制限され、呼吸時に肺が十分拡張できなくなる。それにより、一回換気量、分時換気量、肺活量、機能的残気量がそれぞれ減少する。また、下側肺障害といって、重力で肺の下側にたまった分泌物を喀出できないことで無気肺を起こし、これが沈下性肺炎となり、却って様態を悪化させる危険性があることも。これらを防ぐためには適度に上体を起こすことである。と。
そして生業上、前述のことは東洋伝承医学が既に2000年以上も前に説いていることも啓蒙のため付け加えておいた。「久臥傷氣(肺)」、久しく(長く)臥しては(寝ていては)、肺を傷る(肺の機能を損ねる)。また「憂傷肺」、憂えては肺を傷る。病んでいるときには不安や心配事もよくないよと。