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精進、そしてまた精進

 ある歴史研究者がいうには、実は「古事記」とは、国家運営の基本書として書かれた歴史書なんだそうです。だから教科書的な「日本書紀」と比較すると、あえて読解困難に書かれているといいます。この捉え方が正しいのか否かは別として、確かに後世に残すための国家運営(戦略)書であるなら、知恵や知識が達者でない人にまで容易く解釈できるのは危険です。悪用されては国家の存続も危うくなりかねません。
 さて、中国最古の医学書であり東洋医学の礎、「黄帝内経」もまた、私のような並みの鍼灸師には読解困難な敷居の高い書であります。しかし冒頭の古事記のことを考えれると、医学書ゆえに納得できます。いつの日か解読本にたよらず自身で読解できるように日々精進、そしてまた精進ということですね。