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更年期障害を鍼灸で考える

 現代医学においては、更年期障害の主な原因を、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少によるものとしており、ホルモン補充療法(ホルモン剤処方)が一般的にもよく知られています。
 症状は、自律神経失調症(ほてり・のぼせ・発汗・末梢(手足)の冷えなど)と、精神神経症状(頭痛、頭重感、憂鬱、不安感、イライラなど)が代表的ですが、運動器系、知覚系、消化器系、泌尿器系に不定愁訴を訴えるケースもあるようです。
 では、東洋医学は更年期障害をどう考えるのでしょうか。主な症状から「上衝性疾患」と考えられ、原因に深くかかわるのは肝経と腎経になります。この陰経二経の気の変調により、結果その陰陽(表裏)関係にある胆経・膀胱経に特有の症状(自律神経症状・精神神経症状)が表れると解釈します。したがって先ずはこの四経から症状の改善をはかり、併せて胞中(子宮)から起こる衝脈を中心に任脈・督脈も使って生殖器機能の底上げというのが私流の基本的な治療方針となります。

 ザックリと書きましたがここまで読んで、婦人科系疾患の有名穴である「三陰交(脾経)は使わないの?」と思われた方、安心してください!三陰交は衝脈の重要経穴として必ず使います。(1月4日ブログ参照)