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師匠の引退

 一昨日の夜、所属している「脈診会」の幹事から一報がありました。 「鈴木先生(御年85歳)が、ご自身の体力低下が著しいとのことで、5月にて治療院(南浦和/東雲堂鍼灸院)を閉院する。それに先駆け主宰する「脈診会」は本日をもって閉会となった」との事。 

 ここ1~2年、体調があまりよろしくない中、無理を押して日々の臨床と、月に一度の講義を続けておられました。このタイミングで引退なさるのも当然といえば当然なのですが、やはりショックです。
 

 私が師匠の私塾に参加したのは、鍼灸専門学校に入学して間もない頃でした。当時、私塾は学生を対象にした「寺子屋」と、卒後の臨床家を対象とした「脈診会」の2コースありました。私は当然、学生対象の「寺子屋」に入塾したのですが、私たちが2学年に上がる頃、師匠の体力的な理由で、この学年を最後に「寺子屋」は閉塾することになりました。私たちからすれば、本当に幸運だったわけですが、振り返れば、あの頃から既にご無理をなさっていたのでしょう。本当に長い間ありがとうございました。心より感謝を申し上げます。
 

 前職が新聞記者だった師匠、当然ながら活字にめっぽう強いお方です。今後はゆっくり静養していただき、活字を楽しみながら、のんびり余生を送っていただきたいものです。(写真は「鍼灸ジャーナル」2012年9月発行から)