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奇遇

 時に奇遇というのがあります。記憶から遠ざかっていた知人のことを何かのきっかけで思い出したら、数日後にその知人から連絡があるような...。
 CS放送の無料開放日の事。何気にチャンネルを回していて、あるロックミュージシャンのLIVE映像のところで手が止まりました。ロリー・ギャラガ―(1995年没、70年代に活躍したアイルランドのロックミュージシャン)です。そして同時にある記憶も一気に蘇ってきました。

   鍼灸師になる以前に勤めていた会社の先輩Sさんの事です。R・ギャラガーに知識のない私に教えてくれたのがSさんでした。

 Sさんとは、職場が神戸(本社)と東京(営業所)と離れていましたが、趣味(洋楽・ギター)が合うということもあり、業務連絡の合間に雑談や情報交換をする仲でした。そのSさん一押しギタリストが、R・ギャラガーでした。会社の連絡便を使ってわざわざカセットテープを送っていただいた事や、社員旅行の時のロック談義など、今では懐かしい思い出です。思いを巡らせば、私が会社を辞めて1年ほど経ったころだったでしょうか、Sさんも会社を辞めるという連絡をいただきました。結局、それを最後に音信が途絶えていました。「Sさん、元気にしているのかなあ?」
 そんな事を思いながら1週間が過ぎました。月曜の朝、PCのメールを立ち上げると、「送信できればいいですけど」とのタイトルの、なんと!Sさんらしき名義のメールがあります。「まさか!?」ちょっと震える感じがしましたが、まぎれもなくSさんからのメールでした。メールを開封すると、「部屋を片付けていましたら、福井さんの2003年12月22日付けのメールをコピーした用紙が出てきました。この年の年末で福井さんはお辞めになりましたね。」~中略~「とりあえず送信テストを兼ねて発信してみます。」と。
 

 時折、思いもよらぬ偶然というのがありますが、まさにこれを「奇遇」というのでしょうね。本当に不思議です。