投球による肘の違和感

 今日から8月です。当院のある川崎市のこの地域では先ほど激しいゲリラ豪雨がありました。天候が突如一変する不安定な幕開けとなった8月。健康についても一変しないよう日々の養生を怠らないようにしたいものです。

 さて、昨日の試合前、チームメートのひとりが投球するときに肘に違和感があるといいます。具体的な患部を聞くと、肘関節の尺側(小指側)との事。他のリーグと掛け持ちで投手をしている彼、今のところ強い痛みや可動域の制限はないといいます。しかし軽視して無理を重ねると野球肘(離断性骨軟骨炎)に進行する可能性があることを忠告しておきました。
 いわゆる“野球肘”とは、投球による肘関節の酷使によって発症する疲労性の運動障害です。したがって彼のように前哨的段階であるならば基本的な治療は、投球運動の制限(投球数・球種)、または禁止ということになります。その上で肘の違和感(鈍痛・重い等)がなくなり次第、肘関節や手関節を構成している筋肉の増強というのが好ましいと考えます。あわせて鍼灸治療も効果的です。違和感や痛みのある患部からその関連する経絡を特定し、肩背・上腕・前腕・手などの経穴を中心に全身的に治療を施します。これにより全身の筋肉の疲労が取れ、治癒が早まります。

 我がチームで2人しかいない貴重な40代の彼、無理をせず早めに療養を行っていただきたいものです。