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井穴(せいけつ)

 ブログを更新しようと文章を書き出すものの、集中できずにまとまらない。ボツにしてはの繰り返し。そんなわけで、またこんなに間延びしてしまいました。久々の今日は最近、試みているツボ、井穴(せいけつ)について書いてみます。

 

 手足の末端、爪の際にある経穴(つぼ)を井穴(せいけつ)といいます。古典書では「井穴は、脈気の出ずるところ」となっておりますが、井戸から水があふれ出るような性質を持った経穴だと解釈するようです。

 井穴は手足の末端(末梢)部位という性質(血液循環豊富)から、鍼灸では通常の治法に加えて刺絡(しらく)にもよく用いられます。(刺絡とは、専用の鍼で浅く一瞬だけ差し、血液を数滴絞り出す方法。気血の滞りを解消し廻りをよくする)

 私も井穴に関しては、もっぱら刺絡の対象穴として使用しておりました。しかし最近になって、今は亡き師匠の「症状があるのはどの経脈(経絡)上なのかをよく考えて選穴すべし」という言葉の重みを強く感じるようになり、シンプルに「井穴も他の経穴同様に捉えるべき」と考えるようにしました。たとえば肩甲骨の調子が悪いというときには、肩甲骨を通る手の太陽脈(膀胱経)と足の太陽脈(小腸経)の井穴、少沢穴と至陰穴、およびその陰陽関係にある少衝穴と湧泉穴への施術も一考すると。そして治法も刺絡に拘らず、接触鍼やお灸での施術を考えれば使いやすくなります。今後は進んで井穴を活用したいと考えております。