‟つり”の極意

 先日、車を運転していると急に右足首がつってきて、アクセルとブレーキの操作がままならなくなる恐い思いをしました。幸いすぐに道路脇に止められたので事なきを得ましたが、今まで経験したことのない“つり感”でしたので、ちょっと衝撃でした。

 足がつるといえば、ふくらはぎの「こむら返り」が一般的で、私も度々経験があります。しかし今回は足首が利かなくなり、回避策の背屈(足の甲側へ曲げる)・底屈(踵側に曲げる)を試みるも、その上部のどちら側(前脛骨筋・後部の腓腹筋等)にも痛みと引き攣りが走るというものでした。すぐに車から降りて、おおもとであろう大腿後面のハムストリングス筋(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)のストレッチをしばらく行いました。すると痛みは残るものの徐々に足首が動くようになってきました。その後、若干の痛みを我慢しながら運転していると足首はほぼ正常に回復しました。翌日になって足首の動きを確認していると右側の臀部(お尻)の深い部分に何か鈍痛を感じます。押圧してみると大腿後面から下腿(ひざ下)前後に同じような鈍痛を感じます。それではと、臀部に鍼を置鍼すると、なんともいえない重たい響きが下腿まで流れるようです。15分程度で鍼を抜き再度足首を確認すると、動きに柔軟さと全体的な軽さを感じました。どうやら臀部の圧痛は、足首(下腿)のつりに深く関わっているようです。

 今回の“つり”で得たも、つまり釣果は大きかったようです(失敬)。今後もこのようなときには臀部の圧痛点に注目し、自身を実験台にしたいと思います。

 熱さも本番になってきました。皆さま、くれぐれもご養生ください。